マスターズで陸上競技を再開してから21年、現役時代の倍の時が流れ、自分の身体能力を最大限に引き出してみたいという当初の欲求は、いつしか記録にこだわれるようになり、そのまま陸上競技を継続していく最終目標になりました。当然のように5年ごとにモチベーションが上がり体力レベル以上の練習で筋肉は悲鳴を上げ、アキレス腱断裂、半月板損傷を起こすなど50代は故障との闘いでした。そして、度重なる故障で身体にダメージを受けるたびに、本能的に身体が消極的になっていくという事実を受け止めるしかありませんでした。
当初、現役時代に近い集中力、助走路に立った時の研ぎ澄まされた緊張感、試合の中で自分自身を追い込んでいく過程を楽しんできた競技生活から年代に見合った状況にレベルダウンしなければなりませんでしたが、競技生活を続けていくうえで必要不可欠なことでした。
W50で12Mを望むこと。W55で11Mを目標にすることは本当に不可能なのか。年代相応の科学的で効率的なトレーニング法は明解ではないが、グランドで試行錯誤の練習は自分と正直に向かい合え、なにより充実感を与えてくれ、一人きりの贅沢な時間を過ごせることに楽しみを感じるようになりました。今まで健康で挑戦できたことを感謝しつつ、もうしばらく一生懸命、今を大切に正直に自分自身と向きあってみたいと思うこのごろです。
今、優しい眼差しで暖かなエールを送ってくださる諸先輩方。いつも練習に誘ってくださる『チーム長野』の仲間達。80代になってもまさに青春とばかりにご活躍されている選手の方々。大会でお会いするたびに私もはつらつとその年を迎えたいと思っています。
最後になりましたが、この度青木賞受賞に際し多大なご配慮をいただきました関係の皆様に深く感謝も申し上げます。
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